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MMORPGのPlay日記と、泥酔するまで酒好き野郎の戯言をマッタリ更新致します。
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 時紡が祖父の家へ、二郡八呂陀剣を受け取ってから約3週間が立つ。
 すでに季節は夏真っ只中となり、明日からは夏休みが待っているというのに、時紡はボォーっと目の前にある二郡八呂陀剣をなんとなく眺めている。
 はっ、とついボォーっとしていることに気がつき時紡は頭を振り、「なんだかなぁ~」っとぼやいて、気晴らしにとパソコンの電源を入れ何時もの用に、ネットゲームをしだすも、やはりどこかボォーっとしていて気が入っていない感じである。
 それは、時紡が二郡八呂陀剣を受け取ってから約2週間後のこと、現時点で1週間前の出来事がきっかけとなる。

 その日の朝方、俺はちょっとした揺れを感じたような気がする。

 「ピッピッピッ ピッピッピッ」いつもの憎い音が聞こえる。
 後5分程寝ていても大丈夫だし、朝ごはんを食べなければ20分は寝れるかな等考えていると「ピッピッピッ ピッピッピッ」と急かす様に、目覚まし時計の音がどんどん大きくなる。
 しかたなく目覚ましを止め、まだ眠いがしかたなく着替えを済ませ、朝ごはんを食べにリビングへ向かった。

 「おはよう、母さん昨日の夜地震なかった?」ちょっと気になるので、リビングに入り確認すると。
 「おはようツム、ちょっと大変なことになったの!」っと困惑ぎみにかあさんはあわただしく出かける支度をしている。
 見るとおやじもいつものスーツではなく、普段着でどこかに電話をしている様子だ。
 「あのね、今日の朝方大地震があってね、震源地がおじぃちゃん家の近くで、今も電話が通じないのよ」困った顔で状況を説明するかあさん。
 「え!本当に!・・・」じぃちゃん・・・
 寝てる間に揺れを感じたのはやはり気のせいではなかった。
 状況は、一つも良いことがなく酷い現実だ。
 震源地はじぃちゃん家の村近く、マグニチュウド8.4震度7弱直下型・朝のニュースではすでに死者12名・重軽傷者150名・行方不明者にいたっては確認中だがこの数値は日ごとに増えるとのことだ。
 じいちゃんの村はライフラインが断絶、電話もつながらない状況らしい。
 「それで、父さんと母さんは、できるだけ現地に近いところまでいってくるから、あんた家お願いね!それと琥美は後で丈夫(たけお)叔父さん(母方の兄に当たる)が迎えに来るから!」多目の現金を俺に食事代として渡し、おやじとかあさんは家をあとにした。
 妹の琥美は、状況がわからず泣きそうな顔で俺を見上げている。
 「DSでもやろうか?」っと妹の心配を和らげようと思いさそってみたが、5歳でも解るものなのかな、今がそんな状況でないことをさっしてか、首を振る琥美だった。
 琥美をソファーに座らせ、適当に朝のアニメ番組を見させ、俺はその間に学校に電話をいれ事情を説明し休む旨を伝え、叔父がくるを待つことにした。

 暫くすると丈夫叔父さんが家へ来た。
 「時紡!大変なことになったな!しばらく二人とも帰ってこれそうもないらしいからお前も家にこい!」と琥美をダッコしながら、おれの面倒もみてくれると言う。
 俺は、妹のことは心配だった物の、ふと頭の中でじいちゃんから引継いだ剣のことが頭をよぎり、断ることにした。
 お前の気持ちは解るが等とか、ご飯はどおするんだ等と、心配してくれて中々折れてくれなかったが、子供じゃないし家にいるほうが落ちつくらからと言うと、お前がそういうならと渋々折れてくれた。
 それから、5日後にじいちゃんの捜索、この場合は、村の捜索自体が打ち切られたとおやじから連絡が入る。
 震源地に近かったじぃちゃんの村は、周りに囲まれる山が崩れたり、村自体が酷い地割れに襲われたりで、跡形もないぐらいに崩壊していたそうだ。
 村人で生存が確認できたのはたまたま、数日前より県立病院へ入院していた老人一人だけで、その老人以外は崩壊した村の地中に埋っている可能性が極めて大きいとのことだ。
 土を掘り返しての捜索作業は、二次災害等の恐れも強く又、生存の可能性も低いとのことで、村人は行方不明者リストから死亡者リストへと名前が移される事となったらしく、じぃちゃんも例外ではなかった。

 翌日、両親は帰ってきたが妹の琥美は気を利かせてくれた丈夫叔父さんが暫くの間あづかることになった。
 それから二日間おやじは何をするでもなく家にいた。
 三日目の夜に俺の部屋へやってきたおやじは、「この剣を、ちゃんと引継いだんだな・・・少しは安心してんのかな・・・」と剣にむかって話かけたりしていたので少し心配になった。
 次の日から、おやじは仕事に復帰していた。
 仕事より帰ってくると遺体があがっていないという理由から、おやじはじぃちゃんの葬式はしないとだけいって、妹の琥美を迎えに丈夫叔父さんのところへかあさんと出かけていった。
 その日の、俺は見たくないもの見てしまう。
 夜中トイレに行くと暗いリビングで背中を丸めてウィスキーの入ったグラスを見つめているおやじの姿をみてしまった。
 俺は何も言わず自分の部屋にもどり、涙がとまるのをじっと天井を眺め布団の中で待った。

-第一章 朽木 陸空-へ続く

ー作者よりー
序章では主人公が物語りのきっかけとなるアイテムとの出会い?を書きましたが、一章より本格的に物語が進んでいく予定です。
今回はちょっとシビアでしたかねww
次回もご期待ください

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