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MMORPGのPlay日記と、泥酔するまで酒好き野郎の戯言をマッタリ更新致します。
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 時紡が祖父の家へ、二郡八呂陀剣を受け取ってから約3週間が立つ。
 すでに季節は夏真っ只中となり、明日からは夏休みが待っているというのに、時紡はボォーっと目の前にある二郡八呂陀剣をなんとなく眺めている。
 はっ、とついボォーっとしていることに気がつき時紡は頭を振り、「なんだかなぁ~」っとぼやいて、気晴らしにとパソコンの電源を入れ何時もの用に、ネットゲームをしだすも、やはりどこかボォーっとしていて気が入っていない感じである。
 それは、時紡が二郡八呂陀剣を受け取ってから約2週間後のこと、現時点で1週間前の出来事がきっかけとなる。

 その日の朝方、俺はちょっとした揺れを感じたような気がする。

 「ピッピッピッ ピッピッピッ」いつもの憎い音が聞こえる。
 後5分程寝ていても大丈夫だし、朝ごはんを食べなければ20分は寝れるかな等考えていると「ピッピッピッ ピッピッピッ」と急かす様に、目覚まし時計の音がどんどん大きくなる。
 しかたなく目覚ましを止め、まだ眠いがしかたなく着替えを済ませ、朝ごはんを食べにリビングへ向かった。

 「おはよう、母さん昨日の夜地震なかった?」ちょっと気になるので、リビングに入り確認すると。
 「おはようツム、ちょっと大変なことになったの!」っと困惑ぎみにかあさんはあわただしく出かける支度をしている。
 見るとおやじもいつものスーツではなく、普段着でどこかに電話をしている様子だ。
 「あのね、今日の朝方大地震があってね、震源地がおじぃちゃん家の近くで、今も電話が通じないのよ」困った顔で状況を説明するかあさん。
 「え!本当に!・・・」じぃちゃん・・・
 寝てる間に揺れを感じたのはやはり気のせいではなかった。
 状況は、一つも良いことがなく酷い現実だ。
 震源地はじぃちゃん家の村近く、マグニチュウド8.4震度7弱直下型・朝のニュースではすでに死者12名・重軽傷者150名・行方不明者にいたっては確認中だがこの数値は日ごとに増えるとのことだ。
 じいちゃんの村はライフラインが断絶、電話もつながらない状況らしい。
 「それで、父さんと母さんは、できるだけ現地に近いところまでいってくるから、あんた家お願いね!それと琥美は後で丈夫(たけお)叔父さん(母方の兄に当たる)が迎えに来るから!」多目の現金を俺に食事代として渡し、おやじとかあさんは家をあとにした。
 妹の琥美は、状況がわからず泣きそうな顔で俺を見上げている。
 「DSでもやろうか?」っと妹の心配を和らげようと思いさそってみたが、5歳でも解るものなのかな、今がそんな状況でないことをさっしてか、首を振る琥美だった。
 琥美をソファーに座らせ、適当に朝のアニメ番組を見させ、俺はその間に学校に電話をいれ事情を説明し休む旨を伝え、叔父がくるを待つことにした。

 暫くすると丈夫叔父さんが家へ来た。
 「時紡!大変なことになったな!しばらく二人とも帰ってこれそうもないらしいからお前も家にこい!」と琥美をダッコしながら、おれの面倒もみてくれると言う。
 俺は、妹のことは心配だった物の、ふと頭の中でじいちゃんから引継いだ剣のことが頭をよぎり、断ることにした。
 お前の気持ちは解るが等とか、ご飯はどおするんだ等と、心配してくれて中々折れてくれなかったが、子供じゃないし家にいるほうが落ちつくらからと言うと、お前がそういうならと渋々折れてくれた。
 それから、5日後にじいちゃんの捜索、この場合は、村の捜索自体が打ち切られたとおやじから連絡が入る。
 震源地に近かったじぃちゃんの村は、周りに囲まれる山が崩れたり、村自体が酷い地割れに襲われたりで、跡形もないぐらいに崩壊していたそうだ。
 村人で生存が確認できたのはたまたま、数日前より県立病院へ入院していた老人一人だけで、その老人以外は崩壊した村の地中に埋っている可能性が極めて大きいとのことだ。
 土を掘り返しての捜索作業は、二次災害等の恐れも強く又、生存の可能性も低いとのことで、村人は行方不明者リストから死亡者リストへと名前が移される事となったらしく、じぃちゃんも例外ではなかった。

 翌日、両親は帰ってきたが妹の琥美は気を利かせてくれた丈夫叔父さんが暫くの間あづかることになった。
 それから二日間おやじは何をするでもなく家にいた。
 三日目の夜に俺の部屋へやってきたおやじは、「この剣を、ちゃんと引継いだんだな・・・少しは安心してんのかな・・・」と剣にむかって話かけたりしていたので少し心配になった。
 次の日から、おやじは仕事に復帰していた。
 仕事より帰ってくると遺体があがっていないという理由から、おやじはじぃちゃんの葬式はしないとだけいって、妹の琥美を迎えに丈夫叔父さんのところへかあさんと出かけていった。
 その日の、俺は見たくないもの見てしまう。
 夜中トイレに行くと暗いリビングで背中を丸めてウィスキーの入ったグラスを見つめているおやじの姿をみてしまった。
 俺は何も言わず自分の部屋にもどり、涙がとまるのをじっと天井を眺め布団の中で待った。

-第一章 朽木 陸空-へ続く

ー作者よりー
序章では主人公が物語りのきっかけとなるアイテムとの出会い?を書きましたが、一章より本格的に物語が進んでいく予定です。
今回はちょっとシビアでしたかねww
次回もご期待ください

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 某国某州地下、そこは表より見ると五角形と特徴的な建物である。
 そんな、誰もが知る建物の地下の一室

 その部屋の中央には卵形をした箱が置かれている、そして、その周りをパイプや配線がところせましと部屋中に広がっている。
 その卵型の箱の機能を維持するためだけにあるフロア。
 そんな歪な部屋の中に、白衣を身にまとった男が一人。

 「クク・・・クフ・・・クフフ・・・クフ」と奇妙な笑い方をし、モニターを確認しつつ、目の前にある装置を操作している。
 いや操作しているというより、いじりまわしているというべきだろうか。
 「クックフフ、ここをこうして・・・クフ・・・ここまで・・・フフ・・・クフフフ・・・形がクフ」奇妙な笑いを浮かべながら、モニターを眺める。
 Dr.サクリファイ この奇妙な笑いかたをする男の名前である。
 彼は、この国が誇る特別な博士であるものの、その異常差ゆえに表の世界での研究を禁止され、この五角形の建物地下に囲われている。
 しかし、彼自身は研究さえできれば場所も時間も関係がないので、特にそのことに不満をもっていない、むしろこの男が表に出て困るのはこの国のほうだ。
 彼の常軌を逸した研究は、幼少のころより数多に上る。
 幾つか例をあげれば、肌の色を黄色人種色にする薬を発明し、学校の飲み水にまぜ学園にいる人間のほとんどが黄色人種になってしまった「イエローウィッシュ事件」、また、猫の言葉が話せるようになる薬を発明し、某社ペットショップで売るも、服用すると「ニャ~」としかしゃべれなくなり人語が理解できなくってしまう「キャットトランファー事件」、さらに、イナゴと蟷螂(かまきり)を合体させてイナキリという新たな生物を誕生させるも、逃げ出したイナキリが大量発生し作物に大打撃を与えるも、蟷螂の特性により雄の激減より一週間で収束した「アイダホメンズクライド事件」そしてこの研究施設にくるきっかけとなった、ある一定の電波をキャッチできる人間のみに作用する酷い下痢を催す電波装置を発明し、この国の大統領を3週間にわたり苦しめた「パフォーマンス オブ ビックボス アー 10ミニッツ事件」、しかし、これらはまだかわいい方である。
 本来なら、このような常軌を逸した研究者は拘束されてしかるべきなのだが、彼の能力を惜しんだこの国は、彼をこの研究施設に囲いこみ、表の世界ではできないような研究をさせているのである。

 「クフフ・・・ここら辺が限界か・・・クフフ」奇妙な笑い方をしながら、装置の操作をやめ最後に一つのボタンをおすDr.サクリファイ、するとプシューという音とともに卵型をした箱の扉が開く。
 扉が開くと中より、一人の男が出てくる。
 全身より湯気が出るほど汗をかき、目には酷い隈があり、その隈は目の下だけにとどまらず、パンダのように目の周りを黒々としている。
 その男の左手4つの指には、刺々しく一連に繋がっている指輪、メリケンサックが握られている。
 その男は足取りもふらつき、うつろな目つきでフラフラとして、精根が尽きてしまった感じである。
 そんな男にDr.サクリファイは「クフフ、やぁリンク」と奇妙な笑いと共に語りかける。
 「クフ、すばらしいよ、クフ、形までかわっちゃうなんて、クフフ」と男の疲労など気にせず語りかけ、リンクと呼ばれた男にドリンクを手渡す。
 リンクと呼ばれた男は、不機嫌そうにそのドリンクを受け取り一気に飲み干す。
 「うげぇーー、あめーーー」っと、いかにも舌にあわなそうに、舌を出す。
 「クフフ、しかたないよ、これだけ消費しちゃうとね、こういうのが無いと君死ちゃうよ、クフフ」っと死でしまっても、いいかな程度にいう。
 「クフ、クフフ、今日は重力100倍だったけど、いいデータが取れた・・・クフフ」あの卵型をした箱は、どうやら重力を機械的に操ることのできる装置だったようだが、なんの為にリンクと呼ばれた男がこの装置に入っていたかは不明である。
 「どうでもいいけど、今日はこれで終わりだろ、帰らせてもらうぜ」っと研究事態に興味がなさそうに、リンクと呼ばれた男はその部屋を跡にしようとするが、サクリファイに呼びとまられる。
 「クフ、実は日本にいってもらいたいんだね、クフフ」奇妙な笑いかをしながら、リンクと呼ばれた男に言う。
 「ああ~、また所有者の特定ができたのかよ」っとあまり乗る気ではないようだ。
 続けて、前回みたいにまったくの外れじゃないのかと聞くリンクと呼ばれる男。
 「CIAよりレポートがあがってきてねクフ、今回は詳しく特定がされてるから楽でいいよクフフ」どちらにせよリンクとよがれた男が日本に行くことは決定しているようだ。
 まあ行ってくるよとリンクと呼ばれた男は部屋をあとにするが、Dr.サクリファイはクフフと奇妙な笑いをしながら、研究を続ける。

 これよりリンクと呼ばれた男、朽木 陸空(くちき りんくう)は日本に向かう。
 時紡の祖父が、不慮の死をとげてさほど時間もたたない時に・・・

-第一章.1 災害- へ続く

-作者より-
序章もこれで終わりです。
小説って思いのほかタバコが進みますwいっぱい吸ってますw
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ドンドンドン・・・「じい~ちゃ~ん」時紡の祖父の家の戸を力強く叩きながら、祖父を呼ぶ。
 時紡の祖父の家にはチャイムがない、それも家事態がそれなりに大きいので、中に入る祖父まで声が届かないのだ。
 神薙家は東北地方では、それなりに名家なので家も大きく裏にそびえる山々も祖父の所有物である。
 また、田舎らしく、近くに民家はなく、どれだけ大声をあげても、これといって問題もない。
 何度か祖父を呼ぶものの、祖父が出てくる気配がない
 「むぅ・・・暑い・・・」まだ真夏日とはいかないもの、少し暑さを感じる陽気の中、2時間も徒歩で歩いているので、すでに時紡はアセだくである。

 「おーーい!じいーちゃーん!!」ったく・・・留守かな?あぁ~暑い暑い暑い・・・俺は短気をおこしおもいっきり戸を叩いた
ドンドンドンドン!!・・・ん?奥から人の気配がする
ガラガラガラーー!!勢いよく戸が開く
 「なんじゃ!馬鹿者!おるわ!!」・・・なんだよ!じいちゃんいるのかよ・・・いるなら素直にでてきてくれよぉー、この暑い中またせんなよ!
 「お!時紡じゃないか・・・なにをしておるんだ?戸など叩きおって、入ってくればよいであろう!」・・・そう、そう俺はすっかり忘れていた・・・このド田舎には、泥棒がいるという概念がないのだった・・・だから、用がある時は勝手に入ればいいということを・・・くぅ~しまった・・・暑いのガマンしっちゃったよ(涙)
 「まぁ良い!支度はすんでおるからすぐに出発するぞ!」
 「ちょっじいちゃん出発ってどこいくんだよ?」
 「ん?なんだお前なにも聞いておらんのか?」って何か聞きたいのは俺のほうだ!しかし、怒鳴りたい気持ちをグットおさえ再度質問してみる
 「えっと、俺はさ、じいちゃんが寂しがってるからここにくるように、おやじに言われてきたんだけどさ・・・どっか連れて行ってくれるの?」落ち着け俺!がんばるんだ!きっとお小遣いがまってるぞ!
 「はぁ~時成(俺のおやじのことだ)らしいな!ったくあの馬鹿はしかたないな・・・ブツブツ」な、なな・・・なんなんだ?!
 「まぁ~良いは!ちょっくら裏山の神社まで付合って貰うぞ!」えぇ~~~~~~説明なしですか?じいちゃんもおやじと同じくらい理不尽極まれないですよ!
 じいちゃんは、玄関に立てかけてある杖と、手に持っていた手ぬぐいを首にかけると、何も言わずにそのまま裏山のほうへと歩き出す
 俺は、どうすればいいのか解らずにその場に立ちすくんでいると
 「なにをしておる!早くしないと日が暮れて帰ってこれなくなるだろ!」っと、じいちゃんにせかされて慌てておいかける形となる・・・今年で87歳になる老人とは思えない元気さだ(涙)

 裏山というとちょっとして高台程度の山を想像するが、じいちゃん家の裏山はそれなりにちゃんとした山である、それもそこにある神社までの道は石階段があるものの、手入れがされていないので歩きにくくてしかたない。
 老人の足にはやはりきついようで、まだ1/3も上っていないところですでにじいちゃんは息がきれてきている
 俺は見るに見かねて、手をかしてあげて事情を聞いて見ることにした
 「なんたって古びた神社に用があるの?俺がいなきゃいけないのかな?」じいちゃんは、さっきまでの勢いは嘘のように俺の手をとるが、たいしたことではないっと言う一方だ
 そうこうしていると、古びた鳥居が見えてくる、ここは家が所有する神主もいない神薙神社という
 神社につくと、じいちゃんはずかずかと中に入っていく、中には何も祭られておらずよく解らないつづりや何故か自転車のタイヤ等が置かれていて、ちょっとした物置となっている。
 「おお、あった!あった!これじゃ、これじゃ!」っとじいちゃんは満足そうな笑みを浮かべている
 じいちゃんは、黒い木の箱を持ってこちらに近づいてくる。
 それは直径1mほどの長方形の漆塗りの箱だった。
 「じいちゃん、これなに?」 とりあえず聞いてみる。
 「これを、お前に託す!」・・・何度も言ってますが、事情を説明しろ!このボケ老人が!
 「えっと、丁重にお断りします」っと俺が返すと・・・泣きそうな顔をするじいちゃん・・・かんべんしてくれよ。
 「わかった!わかったよ!でこれなんだよ!」っと言った瞬間、じいちゃんの禿頭が・・・いや目がキラリと光ったのが見えた・・・いい年して、孫をだましやがった。
 すると、じいちゃんはおもむろに漆塗りされた黒い木箱を開ける。
 すると中からは異様な黒塗りの剣(つるぎ)?
 それは、剣というにはあまりにも不恰好な剣である。
 刃渡りは、箱の大きさとほぼ同じで約1m、刃の中央あたりに両の刃の方向に向かって赤いラインの溝が三本は入っていて、刀身はむき出しで赤い布が無造作に巻きついている。
161515c8.JPG









「これは、神薙家につたわる 二郡八呂陀剣(ふたこおりやろだのつるぎ) だ!」
 その後、じいちゃんは事情を説明しだす。
 この二郡八呂陀剣は、代々神薙家に受け継がれてきてる剣で、本来はおやじが所持して護りいずれは俺に引き継ぐはずなのだが、おやじが転勤族でそれも難しいということでじいちゃんがその役を、しかたなく担っていたということなのだが、最後にじいちゃんは・・・
 「何な、わしも年でな・・・体がうまくいかんのだよ、ここは知っての通り酷い田舎だで、今までは村のもんの助けがあったが、年々それもな・・・そこでお前たちと一緒に住むことにしたんじゃ・・・よって先に代々護りしこの二郡八呂陀剣だけ先にな・・・」すごく寂しそうに言う、そして最後に「わしも、さほど長くないだで」と言う。
 しばしの沈黙が続く、俺は沈黙に耐え切れず、わかったと言う代わりに剣を手にとってみる。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・!
 足元に穴!俺がすっぽりおさまるサイズに足元が円形の真っ黒い穴になっている!「ぎゃ!」っと叫び、思わずじいちゃんにすがりつく・・・
 「なにを抱きついとるんじゃ!」っと俺を軽く突き飛ばすじいちゃん
 え?ええ?・・・・先程まであった穴がなくなってる・・・・
 「あれれ??さっきそこに穴が開いて、落ちそうになって」っと必死に訴えかけるが
 「なんだ、ここは薄暗いし所々ボロがきているかな、はっはっはっ!時紡は以外に臆病じゃなぁ」違う見間違えじゃない、たしかに真黒い穴が足元にあったんだ・・・いや結構今日はずいぶん歩いてたから疲れてたのかな。
 「さ、日が暮れると危険だ、もどるぞ」とじいちゃんは、剣を箱に詰め始める。
 「あ・・・そだ、じいちゃん問題あるぞこれ」そう、一つ気がついた今時こんな物騒な物をもって、交通機関を利用しもしも見つかったらテロリストと勘違いされるし、もちろん没収される。
 それこそ大問題じゃないのかと?持ち運ぶなら車にしないとヤバイかもと俺はじいちゃんに話す。
 「ああ~、銃刀法違反だと言いたいのだな、それは問題ないぞ・・・・・これ刃物でないだで」ほれとしまいかけていた剣で腕を切るさまをじいちゃんはする。
 まったく切れる様子はない・・・ええええ~~~、そんな飾り物みたいな剣が家の家宝ですか?ちょっとかっこいいかもって思っちゃたじゃないかよ!

 その後、俺とじいちゃんは家に戻ると、なんだか家の中が騒がしい。
 「おお~、もう準備はできてますで、刻定(じいちゃんのことだ)さん早く早く、時継君も」っとたぶん村人らしい年寄りにせかされる。
 どうやら、俺の誕生日を祝うために村を総出で準備をしてくれていたようだ。
 その夜は、大いに盛り上がっていただが、途中からじいちゃんがこの村を出ていってしまうことを知っている村人達は、それを惜しむ声がたびたび聞こえた。

 翌朝、じいちゃんにいつから一緒に住むかを聞くと、「こっちでやることが少しあるから、夏の間は無理だで、9月から10月くらいになる」と
 「じゃ~またね、次は家だね」と簡単な挨拶をかわし、最後に家宝の剣をくれぐれも頼んだぞと念をおされ、じいちゃん家をあとにした。

 時紡はその後、後悔することになる。
 家宝の剣など受け取らなければと、いや別れ際にすぐにでも一緒に住もうと祖父に提案していればと・・・いや、せめてもう少しだけ・・・
 時紡が祖父の顔を見ることができたのは、この日が最後だったのだから。

-序章.4 研究機関-へ続く

-作者より-
すみません。更新がだいぶ遅くなりまして^^;
それも、ちょっと長くなってしまいw
さてさて、次で序章も終わりになる予定です。1章からは色々と主演者が増えていく予定ですのでお楽しみに^^
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 誕生日より翌日、時紡は古びた片田舎を訪れていた。
 そこは、すでに農耕に従事する者も数少なくなり、特産といえば澄んだ空気と森林浴くらいしかなく、すでに人が住むには終わりをつげようとしている程のド田舎である。
 「はぁ~・・・」先程から時紡の口からは、ため息しかでていない。
 ため息もでるというものである、なにも好きこのんで、こんなド田舎に足を運ぶ若者はいない。
 これが父親からの誕生日プレゼント、となれば尚更である。

 時間は少しさかのぼり、時紡の家族団欒誕生日祝いの席に移る
 
 「お兄ちゃん、おたんじょぅびおめぇでとう」
 今年5歳になる妹の琥美(くみ)が、いかにも自分でラッピングをしたであろう少し大きめのプレゼントを、俺に渡してくる。
 おやじがちゃんと時間道り帰ってきて、300グラムはあらんとするステーキを食べた後、しばしTVなどを見ながら時間をつぶし、ケーキタイムに入らんとしているそんな時に、先程からそわそわしていた琥美が、おふくろの合図とともにプレゼントをもってきた。
 「おぉ!くれるの?」解りきったことだがしっかり受け答えてやる。
 「うんうん!!」目を大きく開き、首が抜けてしまいそうなぐらいに大きくうなずいている。
 「開けてもいいかな?」すると、まってましたとばかりに俺をせかす琥美である。
 中を開けて見ると、・・・・なんだこれ?・・・・・・パンダの顔をしたクッションのようだが・・・・白の部分が全部あずき色をしている。
 「うわぁ~かわいいクッションだね!でこれなんてキャラなんだろ?」と。、とりあえず聞いてみる。
 「あずきパンダちゃん!」勢いよく答えてくる・・・大事にするねと言うと、琥美は満面な笑み・・・
 このセンスの悪いあずきパンダちゃんを俺は、この先どう使おうか思案していると
 「まだ中に、も一個あるよ!」
 ん?本当だ・・・中にはニケテンドウDS用ソフト[ポケットの中のモンスター 燻銀]が入っている。
 このソフトは、子供に大人気で琥美も夢中になってやっているソフトだ。
 きっと俺と一緒にやりたくて、プレゼントしてくれたんだろう。なんてかわいいんだ!これから先、俺は妹と書いて萌えと読むことを心に誓う。
 ちなみに、この二つのプレゼントの金の出所は、両親がだしたのは間違えない。年をとってからできた子供なので、そこら辺は以上に甘いのだ。

 それからお決まりのケーキタイムを迎え、早速妹とポケットの中のモンスターを通信プレイしていると、おやじがおもむろに話しかけてくる。
 「時紡、父さんからもプレゼントがあるんだ」
 「えぇ~~~!!」俺はおおいに驚いてしまった。18歳にもなると親いからの誕生日プレゼントなんて期待していないものである。
 そして渡されたのは、縦長の封筒・・・・おぉ~これはもしや現金か?!たぶんそのときの俺の瞳には$マークがくっきり浮かび上がっていたであろう。
 早速、中身を確認してると、新幹線の往復チケットと3万円・・・・現金が入っていることに安心したものの、新幹線の往復チケットは間違えか?
 「おやじ、これは間違えだろ?」と新幹線の往復チケットの方をつき帰そうとすると
 「いやそっちがメインで、現金は必要になるかもしれないから入れといた」どうも、今ひとつおやじが言わんとしていることが、つかめずにいると
 「時紡、悪いが明日じいちゃんのとこまでいってくれるか?」唐突すぎる・・・しかし、冗談でもないようだ。
 「でも、明日は学校あるし、意味わかんねぇ~よ、なんかあんのかよ?」このバカおやじめ、突然すぎるから、わけわかんね~じゃん
 「明日は学校休んでいいから、それと現金のほうは残ったら、お小遣いにしていいから」いやいや、答えになってないですよ、それに誕生日プレゼントといわれて渡されたものを返したりするわけないでしょ。
 「まぁ~、じいちゃんが寂しがってるんだよ、お前の18の誕生日を祝いたいんだって」いかにもらしい、答えが返ってきたが今ひとつ納得がいかない
 
 その後暫く間、俺はおやじにくってかかったが、おやじはそれをノラリクラリと受け流し最終的には、明日じいちゃんの家にいくことになってしまった。
 本当のところ、学校をずる休みできるのはいいのだが、なにも無い田舎に行くのが面倒ってのもあるし、なにより、ネットゲームができなくなるのが嫌だった。
 「って、こんなの誕生日プレゼントじゃなくて、命令じゃんか」と一人部屋でぼやいた。

 そして時間は元に戻り、時紡はため息まじりに駅より2時間の道のりを気だるそうに歩いている。
 しかし、祖父の家につくころには、のんきに祖父よりお小遣いをもらえるかもと期待に胸をふくらませいるのである。

-序章.3 お家柄-へ続く

作者より
仕事が急がしかったり、ゲームのLvあげにいそしんだりで更新が1週間ぶりになってしまいました^^;
まだまだ出演者募集中ですので、我こそはってかたは是非是非コメントください><
 今日は俺の誕生日だ。
 だが、まだ誰からも「お誕生日おめでとう^^」とか「プレゼントだよ☆」とか「実は前からスキでした!付き合ってください!!!」とか「抱いて!!」とか「私を壊して!!」・・・・うむぅ^・・・・

 まあ最後のほうはともかく、すでに日も傾きだしているというのに、誰からも祝ってもらえてない。
 これが女に生まれていれば、学校のクラスメイト等から祝いの言葉くらいかけてもらえるのであろうが、悲しいかな男という生物はハッキリいって、クラスメイトの誕生日など覚えてないし、気がついていても恥ずかしくてまず祝いの言葉などかけなければ、ましてやプレゼントなど絶対にありえない、というより、男が男に学校でプレゼントなんかを受け取っているところを見られたら、事実はどうあれ同性愛者と噂がながれてしまう・・・学校なめんなよ!(織田裕二風に)

 そんな訳で、誕生日であるにもかかわらず俺は、今日もいつもと変わらず学校に行き、適当に授業を受け、放課後適当に友人達と駅前で遊び、家路についているということだ。

 すねてなんかいない、すねてなんかいないんだぞ、だた・・・・心配ごとがあるだけだ。
 それは・・・・・祝いの言葉や、プレゼントをもらえなかったからではない!
 そう・・・それは・・・・

 18年間彼女がいない!ってことは、そう そう そうなんだ
 俺は18にもなるのに今だチェリーボーイであるということだ!
 うぅ・・・20まで2年、ヤリハタや素人○○にはなりたくない!玄人はちょっと経験してみたいかも・・・・

 そんなわけで、この先の不安を抱えながら家にかえっているのだ。
 
 ふと前を見ると、幼馴染の女の子がキョロキョロとしながら誰かを待っている風にしている、俺に気がつくと”時!(俺のことだ)、いつまで待たせる気!・・・・・・・これ!これプレゼント!!・・・どうせ誰からも貰えてないんでしょ・・・同情なんだからね!”っと乱暴にプレゼントを渡される、俺は状況が把握できずにいると、彼女は真赤な顔で俺の顔を覗き込む、そして俺も真赤な顔になりならも”ありがとう、同情でも嬉しいよ”っと照れ隠しに頭をかきながらお礼を言う、その後二人で5分ほど見詰め合ってしまう、そしておもむろに彼女が、”時!、その・・・今日は記念日だから・・・キスまでだったら今日は・・・特別に許してあげるんだから・・・”そして、俺はぎごちなく彼女の唇に自分の唇を重ねる、そして彼女は先程より真赤な顔をさらに赤くして”今日だけなんだからね!私の誕生日には100倍返しなんだから!”そんな彼女に俺はこう返す”キスの続きをか?”彼女はそれを聞きさらに顔を赤くし、しかし笑顔で”バカ!”といって走っていく・・・

 ってツンデレが待ち伏せしている設定などあるわけがない・・・・俺に幼馴染はいない、というより今時珍しく父親が転勤族だったので高校に入るまで転校の繰り返しだった。

 と、埒のあかない妄想に近い想像をしていると、嘘のように時間が経過するもので、すでに家の前についている。
 [神薙(かむなぎ)]という表札が書かれている玄関、この珍しく微妙に読み方を間違えてしまう苗字と、それと同じくらい珍しく読み方を微妙に間違えてしまう様な名、時紡(ときつむ)それが、俺の名前 神薙 時紡 いまだに生まれてこのかた彼女がいなく、今後の自分の進退?に悩む18歳である。

 玄関前で自分の名前のことなどを振り返り、「はぁ~」とため息をつく・・・すると
 「ツムどうしたの、こんなところで?」振り向くとお袋が買物袋と、これみよがしにケーキをもって邪魔だと言わんばかり立っていた。
 「早く家に入なさいよ、今日はあんたの誕生日だから、ステーキよ」と、うれしそうに言う・・・悩み事のなさそうな顔をしている・・・正直、今俺の眼前にある問題などおふくろは知らないんだろう。
 しかし、そんな悩み事を母親に打ち明ける訳にもいかないので
 「うぉぉぉぉステェーキィー!!!!!やったぜぇーーーー!!!」と素直に喜んでおく。

 家に入り、自分の部屋でPCのモニターを確認すると、学校前にネットゲーム(MMORPG)で露天放置していたアイテムがちゃんと全部売れていることに満足し、少しの間ネットゲームをすることにした。
 今日はおやじがちゃんと飯の時間までに帰ってくるので、おやじが帰ってくるまではステーキはおわずけである(まぁ、息子の誕生日だからな)

 ゲームをしながら、この後のステーキとケーキに思いをはせ、少し笑顔になる俺だった(家族もたまにはいいよな)

 だがこの時、のんきにゲームをしていた自分が後に思えば羨ましく思う、今日この日、おやじが仕事を優先して帰ってこなく親子関係にひびが入っていれば、俺は自分の運命より逃れられていたかもしれないのに・・・・・・・

「序章-おやじの命令-」へ続く

-作者より-
以外に書いてみると難しいものですね^^;まだ始まって二回目なので出演者が主人公とお母さん、それと妄想の中の幼馴染しかいませんw
私出演者になってもいいよって方はコメント残してもらえると嬉しいですw
キャラ設定はご希望に答えられるか解りませんがw

 なんてタイトルの映画だったか忘れてしまったが、こんな映画を観た。
 本人だけが知らない、生まれたときからテレビドラマに出演しているってやつで、周りのスタッフは台本通りに主役が動くよう色々と導いていく映画・・・・
 途中で気持ちが悪くなって最後まで見ていない。
 何故って?
 自分も誰かに見られていて、それでもっていいように操られていると思ったら急に気分が悪くなった。
 人権無視だとか、道徳がどうとかそんな話ではなく
 なぜか・・・
 それは・・・・
 確信をついてしまっているような感覚・・・・
 きっと触れることをゆるされない・・・・
 触れると後にもどれない・・・・
 意識してはならない・・・・
 そんな物に触れしまった感覚

 しかし・・・・
 この感覚が間違えでなかったことを俺は知ることになる。

 運命は変えられる・・・
 人生は切り開く・・・・
 努力は報われる・・・・
 平等・・・・
 
 それらは実現されることがないことを・・・・

 知ることによる不幸を・・・・
 知らないからこその幸せを・・・・

 まだ、幸せであったということを・・・・

 それは、このタイトルも思い出せない映画を見て二ヵ月後、不幸にも俺が18歳の誕生日を迎えたその日より動き出す。

「序章-神薙 時紡(かむなぎ ときつむ)-」へつづく




-作者より-
仕事の行帰りに小説を読みながら通勤しているのですが、ちょっと自分でも書いてみたいなぁ~と思い今日より挑戦しちゃいましたw
不定期の更新ですが良かったら、コメント等いただけますと助かります。


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